アレクセイ・ゲルマン『フルスタリョフ、車を!』

きっともうすぐ『神々のたそがれ』を観に行くが、その前にこれがどうすごかったのかを考えると超単純に映像だ。
ゆるい例えだが子供の頃連れて行かれた美術館で見た何が写ってるのかわからないのに妙に怖くて強烈な印象を残すモノクロ写真的で、それが映像としてずっと続くのだからそれはとてもわかりやすく凄い。ライティングがすげードラスティックと言うのか。


そしてその中で動く人たちも凄い。
自分と、自分の知ってる人間と全然違う。
全く違う秩序で動き、とてつもない強度で生きているようにみえる。


そして主人公がかっこいい。強くて狙われて逃げてボコボコにされて解放されて最後復活しててかっこいい。
いつもならちょっと響いてしまいそうな、かわいそうな脇役の「なんで俺ばっかり!」というかわいそうな叫びもあんまり気にならない。そういう話じゃない。
凄い面白かった。