アレクセイ・ゲルマン『神々のたそがれ』

感想。
フルスタリョフ、車を』を見たときの驚きはなく、心を揺らされるとか何か自身に大きな影響を与えたりするかと言うとそうでもなく、
というよりやはり、そういう意味の無い凄いさが凄い!、みたいな何とも言えない広がりようがない感想が多いのも納得できる。語るべきことはそんなにないけどとりあえず自分も「凄い」って言っておきたい程度のものを見た。


こんなもんどうやって考えて作り撮影したのか。明らかに金がかかっており、今では失われた技術を使って作られた古代の建築物的な驚きもある。
こんな精度の異世界が全部つくりもので、
あんなに肉がぶら下がり常に泥泥で死体だらけなのに撮影現場が臭くなかったらそれも凄い。実際に臭くても凄いけど。
登場する人が皆何でもくんくん匂い嗅いで判断するのも良かった。
三時間尻は痛いし辛かったが。


見た後は軽く雑念が無くなり、ちょっとグジャラート指数*1が下がって、もっとまっすぐな動物に少しだけ近づけるのではないか。


ハネケやザイドルが好きだが、見るとたぶん嫌な感じにグジャラート指数が上がってしまうので、何か不安やちょっと辛い時はゲルマンを観よう。あんまり辛い時に観てあの世界に引きずりこまれたら本当に地獄だが。

*1:上田岳弘『太陽・惑星』あんまり面白くなかった